お金を借りる時に返済金額に大きく影響する「金利」
この金利は、借りる目的や借入先によって相場が違います。
特にカードローンの場合は、目的が自由だということもあり、住宅ローンや自動車ローンなどの他のローンよりも金利の相場は高くなっています。
しかし、金利の相場が高めでも、急な出費に対応できるカードローンはとても便利ですよね。
そして、相場より高い金利でも、計画的に借りて早く返せば大きな負担にはなりません。
そこでこのページでは、借入先で違うカードローン金利の相場や比較方法、低い金利で借りる方法など、金利について詳しく説明します。
借りたお金の利息を決める「金利」とは?
銀行にお金を預けていて、半年に1度「利息」「利子」と記されることがあり、よく使っている口座だと5円とか10円とか少ない金額ですが増えますよね。
金利とは、この利息を算出するための利率(割合)のこと。
カードローンの場合は、借りたお金を返す時の元金に対して発生する利息を算出するための利率のことで、「年率」または「年利」で表示されています。
金利の割合は自由に決めれるわけではなく、利息制限法と出資法という法律によって、貸付金額に対する上限金利が定められています。
そのため、カードローンの金利は借入金額によって、上限金利の範囲内で審査によって決まるのです。
消費者金融会社によっては、日歩(ひぶ)や月利(げつり)で表示されているところもあります。
しかし、年利に引き直すと上限金利を超えることがほとんどで、違法性の高い場合が多いので注意が必要です。
借りたい金額の上限金利は何%?
借りる時の金利は、利息制限法と出資法という法律で金利の上限が決まっているといいましたが、なぜ2つも法律が必要なのでしょう?
それは、2つの法律はそれぞれ目的が違うからです。
利息制限法は貸金会社にも適用される法律ですが、どちらかというと借りている人を守るための法律といえ、出資法はお金を貸すことを業務として行っている会社に対する、罰則を定めている法律といえます。
では、利息制限法と出資法について説明したいと思います。
利息制限法とは
貸付金額に対して決まる利率の上限を定めている法律のことで、上限利率は貸付元金によって決まっていて、この上限利率を超えた利息はすべて無効になるというもの。
利息制限法はどんなお金の貸し借りにも適用されるため、個人間での貸し借りであっても上限は守らなければいけません。
また、利息制限法では、遅延損害金にも上限金利が決まっていて、通常の上限金利の1.46倍まで認められています。
ただし、1.46倍の上限金利を請求してもいいのは、個人間の貸し借りだけ。
貸金業者や銀行のようにお金を貸すことを業務としている場合は、通常の上限金利と同様に2割までしか認められていません。
利息制限法の原則一覧
金額 | 上限金利 | 遅延損害金上限金利 |
---|---|---|
元金が10万円を超えない場合 | 年率20%まで | 年率20%まで 業務での貸付でない場合 29.2%まで |
元金が10万円超100万円未満の場合 | 年率18%まで | 年率20%まで 業務での貸付でない場合 26.28%まで |
元金が100万円以上の場合 | 年率15%まで | 年率20%まで 業務での貸付でない場合 21.9%まで |
出資法とは
出資法も金利の利率の上限を定める法律です。
ただし利息制限法と違い、この法律では金額に関係なく上限20%までと決められています。
利息制限法と大きく違うのは、罰則があること。
利息制限法の場合、上限は守らないといけませんが、違反しても罰則がありません。
そのため、借りる人が承諾していれば上限金利を超えた利率でも貸付ができるのです。
しかし、出資法は上限以上の金利で契約することはもちろん、要求したり受け取っても罰則があり、悪質な場合は行政処分の対象にもなります。
カードローンを利用する時の金利は、この両方の法律にのっとって、審査によって利用限度額を決めて金利の利率が決まるのです。
金利の相場が違う消費者金融と銀行
カードローンの借入先は、消費者金融会社や信販会社のような貸金業者と銀行・信用金庫などの金融機関などがありますが、一番人気は銀行のカードローンです。
その理由は、何といっても借りる時の金利が一番低いから。
貸金業者の金利も法改正後は昔ほど高くなく、年率4.5%~18%が相場です。
しかし、消費者金融や信販会社などで借りる場合は、総量規制という年収の3分の1までという借入金額を制限する法律があり、借りれる金額があまり高くはならないので、ほとんどの人が年率15%~18%で借りることになります。
信販会社の場合は、カードローンではなくクレジットカードにキャッシング機能をつけて
貸し出しているところが多いので、クレジットカードのキャッシング枠を利用することになります。
クレジットカードの場合は、ショッピング枠にキャッシング枠の限度額が含まれていることが多く、総量規制の対象だということもあり、限度額が低くなることがほとんどです。
そのため、クレジットカードのキャッシング枠もほとんどの人が年率15%~18%で借りることになります。
その点、銀行や信用金庫などの金利の相場は、3.5%~15%くらいのところがほとんどなので、一番高い金利でも、消費者金融やクレジットカードのキャッシング枠より低い金利で借りることができるのです。
金利の低さは以下の順
銀行 < 消費者金融 < クレジットカードキャッシング枠(信販会社)
下限金利で比較してはいけない?
お金を借りる時に、金利は低ければ低いほど助かりますが、金利には〇〇%~〇〇%というように幅がありますよね。
金利の低いところを探す時に気をつけなければいけないのが、下限金利ではなく上限金利が何%かです。
いかにも一番低い金利で借りれるかのように、下限金利を大きく表示してあるところもありますが、下限金利で借りれるのは利用限度額と年収が高い、信用情報の信用度が高い人。
また、初めてカードローンを利用する時の利用限度額は、低く設定されることが多いです。そのため、上限金利が少しでも低いところを利用しましょう。
一番いいのは、自分が借りたい金額の金利の幅を比較することです。
会社によっては、金額ごとに金利を表示してあるところもあるので、その場合も高い方の金利を目安にしましょう。
ただし、利用限度額が100万円未満の場合は、比較しなくても上限金利が適用されることになります。
固定金利と変動金利の違いとは?
カードローンの金利で利率はもちろん気になりますが、「固定金利」か「変動金利」かも気になるところです。
固定金利だと、金融情勢が変わっても最初に決まった金利が変わらないので、返済計画が立てやすいのが特徴です。
ただし、変動金利と比べると金利は高めに設定されています。
変動金利とは、金融情勢によって利率が変わることがあることをいいます。
そのため、利用途中でも利率が変わることがあるので、金融情勢によっては大きく変わることがあるので、返済額が安定しません。
しかし、金利が低い時に繰り上げ返済(随時返済)をすれば、返済が早く進み、金利の負担額も少なくて済みます。
カードローンの場合は、消費者金融や信販会社のような貸金業者は固定金利になっていることが多く、銀行カードローンは変動金利のところがほとんどです。
変動金利は年2回見直しされますが、見直し後5年間は返済額が据え置かれるという「5年ルール」を導入しているので、急に大きく金額が変わることはありません。
金利よりも高い遅延損害金とは?
カードローンには約定(やくじょう)返済日という、毎月必ず返済をしないといけない日が決まっています。
その約定返済日に1日でも遅れると発生するのが「遅延損害金」
遅延損害金とは、借りている人が貸してくれている人(会社)に対して、損害賠償として法律上、当然払わなければいけないお金のこと。
遅延損害金の利率は、お金を貸すことを業務としている場合は、上限が20%と定められているので、その範囲内で会社によって違います。
貸金会社では、ほとんどのところが上限の20%。銀行の場合は、金利と同じ利率~20%とさまざまで、遅延損害金が発生しないところもあります。
会社ごとの遅延損害金一覧
消費者金融
アコム
- 遅延損害金利率
年率20.0% - 通常金利
年率3.0%~18.0%
アイフル
- 遅延損害金利率
年率20.0% - 通常金利
年率4.5%~18.0%
- 遅延損害金利率
プロミス
- 遅延損害金利率
年率20.0% - 通常金利
年率4.5%~17.8%
- 遅延損害金利率
SMBCモビット
- 遅延損害金利率
年率20.0% - 通常金利
年率3.0%~18.0%
- 遅延損害金利率
銀行
三井住友銀行カードローン
- 遅延損害金利率
年率19.94% - 通常金利
年率4.0%~14.5%
- 遅延損害金利率
三菱東京UFJ銀行 バンクイック
- 遅延損害金利率
保証会社の保証料を含む、限度額で決まった年率と同率 - 通常金利
年率1.8%~14.6%
- 遅延損害金利率
みずほ銀行カードローン
- 遅延損害金利率
年率19.9% - 通常金利
エグゼクティブプラン
年率3.5%~7.0%
コンフォートプラン
年率4.0%~14.0%
- 遅延損害金利率
楽天銀行 スーパーローン
- 遅延損害金利率
年率19.9% - 通常金利
年率1.9%~14.5%
- 遅延損害金利率
オリックス銀行カードローン
- 遅延損害金利率
借入残高に対してのその時点の利率+2.1%(年率) - 通常金利
年率1.7%~17.8%
- 遅延損害金利率
住信SBIネット銀行 MRカードローン
- 遅延損害金利率
なし - 通常金利
スタンダードコース
年率8.99%~14.79%
プレミアムコース
年率1.59%~7.99%
- 遅延損害金利率
遅延損害金の計算方法は、約定日に支払う予定だった金額にではなく、その時点の利用残高全額に対して、約定日の翌日から支払う日までの日数分が加算されていきます。
遅延損害金の支払い方法は、自分で計算して遅延損害金だけを支払う必要はなく、遅延したことを会社に連絡すれば支払予定日を聞かれるので、約束した日に入金をすればいいだけです。
その理由は、遅延損害金は約定返済と同じように、約束した日に入金した金額から遅延損害金と通常の利息が自動的に引かれ、残りの金額が元金にあてられるようになっているからです。
ただし、遅延損害金が引かれる分、元金の返済額が減ってしまうので、遅延した金額より多めに返済するほうがいいでしょう。
また、事前に遅れることを会社に連絡をして延納を認められている場合でも、遅延損害金がストップするわけではありません。
そのため、借入金額が多いほど、延滞日数が長くなるほど、遅延損害金の利率が高いほど、発生する遅延損害金の金額が多くなるので、できるだけ早く遅延状態を解消した方がいいです。
信用度が高いと低い金利で借りられる?金利と信用情報の関係
お金を借りる時に金利の利率はとても気になるところです。
支払う利息の負担の大きさが決まる金利は、できるだけ利率の低いところで借りたいですよね。
基本的に金利は、利用限度額が高いほど低い利率になり、利率には幅があります。
その利率の幅の範囲内で利率が決まりますが、同じ利用限度額であっても利用者ごとに利率が違うのです。
その理由は、金利の利率も審査によって決まるから。
審査ではまず利用限度額が決まり、その金額に対して金利が決まります。
その審査の際に確認される信用情報の情報内容が重要で、返済状況が良く属性が高い人ほど低い金利になるのです。
属性とは、氏名や住所の個人を特定する情報や職業・収入・家族構成などの個人情報のこと。
属性が高いというのは、会社ごとに属性の項目に独自の基準で決めている点数があり、その合計点が高い人のことを指します。点数が高い人ほど属性の高い人ということです。
そのため、属性がいくら高くても、信用情報の返済状況に遅延の情報が多いと利率幅の一番高い利率になることもあるのです。
属性は急には高くはできませんが、信用情報は自分で築けるものなので、遅れることなくきちんと支払うことを心がけましょう。
契約後に金利を下げることはできない?低い金利で借りる方法
少しでも低い金利で利用したいですが、最初に契約した金利は基本的には引き下げてもらえないものです。
しかし、借入期間が長くなればなるほど、借入金額が多いほど、たとえ0.01%でも低いところで借りる方が、金利の負担が少なくて済みますよね。
だからといって、借り換えるのも簡単ではないし、契約した金利を引き下げてもらうのは、なかなか難しいです。
でも、引き下げる方法がいくつかあるんです。
金利を引き下げる方法は以下の5通り
- 住宅ローンを利用している金融機関のカードローンを利用する
- 給与の振込先の金融機関のカードローンを利用する
- 利用限度額を100万円以上に上げる
- おまとめまたは借り換えで利用限度額を上げる
- 遅延なく毎月きちんと返済する
それぞれのメリット・デメリットを見てみましょう。
住宅ローンを利用している金融機関のカードローンを利用するメリット・デメリット
住宅ローンを利用している金融機関のカードローンの場合は、元々特典として、住宅ローンを利用していれば引き下げることを謳っているところが多いので、審査に通れば自動的に引き下げられます。
しかし、住宅ローンを組んでいるからといって、必ず審査に通るわけではありません。
住宅ローンを組んだばかりや住宅ローンの返済を遅れがちだと、カードローンの審査には通りにくいので、ある程度の返済実績が必要です。
給与の振込先の金融機関のカードローンを利用するメリット・デメリット
給与の振込先の金融機関のカードローンを利用する場合は、住宅ローンと同様に、元々特典として引き下げられています。
そのため、すでに給与の振り込み先にしている場合でないと適用されません。
また、返済方法を自動引き落としにした場合は、引き落とし口座も給与の振込先口座になるため、家族にナイショで契約をしても、返済の時に通帳に記載されることでバレることがあります。
利用限度額を上げるメリット・デメリット
おまとめまたは借り換えで利用限度額を上げるメリット・デメリット
おまとめや借り換えの場合は、総借入額が大きくなるので、金利が下がることが多いです。
しかし、せっかく金利が低くなっても、返済期間が長くなると高い金利で返済していたときよりも、支払総額が多くなる場合があります。
また、おまとめや借り換えで、全額を借りれなかった場合は、金利を下げるどころか、支払い箇所が増えて月々の返済額が増えてしまう場合もあるので、しっかり計算してからおまとめや借り換えをしないといけません。
遅延なく毎月きちんと返済するメリット・デメリット
遅延なく毎月きちんと返済していると、会社の方から優良顧客ということで、利用限度額の増額や金利の引き下げを提案してくれることがあります。
しかし、返済実績が必要なので、すぐに引き下げてもらえるわけではありません。
金利は高くても短期間で返せば、たとえ低い金利でも、だらだらと長い期間をかけて返すよりも支払総額が少なくて済みます。
最初から低い金利で借りれるといいですが、そうでない場合は、遅れず返済をして信用実績を上げましょう。
法外な金利の闇金融は違法会社!借りると怖い目に・・・
金利低いほど助かりますが、借金がかさむととにかく借りられればと、闇金融に手を出してしまう人もいますが、絶対に借りてはいけません。
闇金融は違法業者です。
闇金融の金利は、トイチやトサン・トゴといった、10日で1割・10日で3割・10日で5割といった日歩や月利40%といった法外な利率です。
1度借りると、ほとんどの人が利息を返すのがやっとで元金が減らず、返しても返しても借金がなくなることはありません。
返済が遅れただけでも怖い取り立てに合うのはもちろん、返せなくなっても家や会社に執拗な取り立てをして、生活ができなくなってしまうのです。
だから、絶対に闇金融でお金を借りてはいけません。
最初から低い金利で借りるのは難しい!上手な利用で限度額を増やす
カードローンをできるだけ低い金利で利用したいのは、誰もが同じです。
しかし、初めてカード-ローンを利用する人の場合、利用限度額が低いことが多いので、低い金利で借りるのは難しいです。
それでも、できるだけ自分が借りたい金額の金利が低いところで借りたいですよね。
カードローン会社のホームページを見ると、カードローンの詳細な情報が載っていて、なかには、利用限度額ごとに金利の幅が細かく書いてある会社もあります。
できるだけ、自分の希望に近いところを選んで申し込みするといいですね。
そして、毎月きちんと返済をして、信用実績を作って信用度を上げるのが、金利を下げる近道です。
また間違っても、一番低い金利で借りれるところを探そうと、手当たり次第に申し込みをしてはいけません。
低い金利で借りれるどころか、申し込みブラックになり、借りれない人になってしまいます。