カードローンを利用するうえで、必ず守らないといけないのが「返済日」です。
決められた金額を決められた日程通りに返さなくてはいけません。
しかし、病気やけがなどの急な出費で一時的に払えなくなることや、リストラや会社の倒産で、返済自体が困難になることもあります。
そんな時に、新たに借入をして支払ったり、連絡をせずに放っておいてはいけません。
放っておけばおくほど事態は悪化し、経済的にも精神的にも追い詰められてしまいます。
そこでここでは、払えないとどうなるのか?返せない時はどうすればいいのか?など、カードローンが払えない時の対処法を紹介したいと思います。
払えないのはどんな時?払えない原因は大きく分けて4つ!
カードローンの申し込みをする時に、誰も払えなくなるなんて考えてないですよね。
返せると思って借りるはずです。
何事もなく計画的に利用できればいいですが、初めて借入した時と状況が違ってくることもあります。
払えなくなる原因は人それぞれですが、大きく分けると4つです。
〈払えない原因〉
・急な出費でお金が足りなくて一時的に払えない
・多重債務で月々の返済合計が多くなり払えなくなった
・リストラや減給、倒産などで経済状況が変わった
・亡くなった家族に借金があって払えない
4つの原因には、それぞれ対処法がありますが、4つの原因の対処法の1つとして共通していえることは、払えない借金の件数と借入金額がどれだけあるかを知ることです。
払えない時にまずするべきことは?返済計画は見直せる?
カードローンの支払いは、払えなくなったからといって、払わなくていいわけでも、放っておけば何とかなるわけでもありません。
払えない時にまずしないといけないことは、自分の借入金額の把握とカードローン会社に相談です。
特に借入金額は、借入先が複数ある場合は、借入件数と借入残高がどれだけあり、月々の返済額がそれぞれいくらあるかを把握し、いくらなら返せるか・いつなら返せるかを考えましょう。
把握できたら、カードローン会社に電話をして、遅れている原因・いくらなら返せる・いつなら返せるかを伝えて、返済計画の見直しをしてもらえるか相談します。
カードローン会社も返してもらわなければ困るわけですから、既存の返済計画を見直し、返済期間や金額などの返済スケジュールを立て直してくれるので、払えないからと放っておいてはいけません。
ただしこの時に、自分が置かれている現状を包み隠さず伝えることが大事です。
なぜなら、カードローン会社は、信用情報機関に登録されている内容の把握はできても、個人の収支まではわからないからです。
恥ずかしいからと、返せる金額を多く言ったり、減給になったことを伝えないなど、現状を正しく伝えない人もいますが、カードローン会社は、利用者の言う現状に沿って返済計画を立て直します。
嘘をつくとせっかく返済計画を立て直してもらっても、またすぐに払えなくなってしまうので、恥ずかしくても正しい現状を伝えなければいけません。
払えないとどうなる?期限の利益の喪失とは
カードローンの返済は、借りた金額をまとめて返さなくても、最低返済額を月々決まった返済日に返済していけばいい仕組みになっていますよね。
特に、多額の借入をした時は、まとめて返さなくてもいいのでとても助かります。
この仕組みで返済できるのは、借りた人に「期限の利益」があるからです。
期限の利益とは、約束した期限が来るまで返済をしなくてもいいという借りた人が受けれる利益(権利)のことをいいます。
そのため、カードローンの返済には、必ず返済しないといけない約定返済日があり、期限の利益があることで分割による返済ができるので、返済額も決まっているのです。
この期限の利益のおかげで、約定返済日までは返済する義務もなければ、返済を求められることもないということ。
しかし、借りた人がこの期限を守らなかったり、債務整理や自己破産をするとわかった時や連絡がつかないといった場合には、カードローン会社は期限の利益を喪失させることができるのです。
期限の利益を喪失すると、貸した側は一括返済を求めることも可能なので、約定返済日は絶対に守らなくてはいけません。
じゃあ、払えなくなると一括返済になるの?と不安になった人もいると思います。
たしかにカードローン会社には、期限の利益を喪失させる権利がありますが、遅延になったからといってすぐに一括返済になることは少ないです。
何度か催促があり、その催促を無視したり、催促しても払わない場合は、一括返済になることもあるので、とにかくカードローン会社への連絡をおこたってはいけません。
期限の利益を喪失すると一括返済やブラックになる?
期限の利益を喪失しても、すぐには一括返済にはなりませんが、払えないからと、カードローン会社と連絡も取らず、催促の電話や郵便物を放っておくと、一括返済にもブラックにもなります。
カードローンの返済を放っておくと下記の順に催促されます。
上記の順に連絡が何度も入り、連絡もせずに放っておくと法的手続きを取られ、裁判をおこされたり、給料や財産を差し押さえられることもあります。
また、複数の会社から借入している場合は、督促状や催告書が届く状態は信用情報にもとうろくされるので、払えない会社だけではなく、返済をしたカードも利用停止になることもあるのです。
カードローンの返済は、払えないからといって放っておくと、どんどん悪い状態になっていきます。
たとえ払えないとしても、とにかくカードローン会社に電話をして相談にのってもらいましょう。
やってはいけない!払えない時の新たな借入はもっと返せなくなる
返済ができなくなると、違うところから借りて返済しようとする人が多いのですが、払えないのに新たな借入は、絶対にしてはいけません。
一時的に返した気になるかもしれませんが、借金を借金で返すのは、借入金額を増やしているだけで、火に油を注いでいるようなもの。
さらに、1つだった返済日が2つになり3つになりと増えていくと、月々の返済額が大きくなり、ますます返せなくなります。
また、返済額には利息が含まれているので、元金は返済した金額よりも低い金額しか減らないので、借金を借金で返す「自転車操業」は、いずれ利用限度額がいっぱいになり、どこからも借入ができなくなるのです。
そうなると結局払えなくなり、返済計画を立て直しても払えないこともあり、最悪の場合は、自己破産になることも・・・
自己破産は借金がなくなるだけでなく、家や車などの財産もなくなります。
払えないなぁと思ったら、新たな借入をするのではなく、まずカードローン会社に相談してみましょう。
カードの利用は止められるかもしれませんが、少しずつでも払っていけるように、返済計画の立て直しをしてくれます。
迷ってないで、まずは相談するのが悪い状態を最小限でおさえる第一歩です。
多重債務で返せなくなってからでは遅い!おまとめは返せなくなる前に
新たな借入をして返そうか迷っている段階だと、絶対に借りてはいけませんよといえるのですが、すでに複数社から借りている人もいますよね。
そういう場合は、借入を1社にまとめることができないかを相談してみましょう。
ただし、おまとめローンの審査は、カードローンの審査よりも厳しいので、遅延や延滞期間がある場合は審査に通らないので、早い段階で相談することをおすすめします。
また、全額を借り換えできないこともあるので、借入件数が減らない場合は、おまとめをすることで借入件数を増やすこともあります。
さらに状態を悪化させてしまうこともあるので、審査に通ったからといって安易におまとめしてはいけません。
おまとめをする場合は、借入件数が減るか月々の返済額をおさえることができるかを、よく見直してから利用しましょう。
返済のメドが全くたたない!1日でも早く弁護士に相談する方がいい?
複数社からの借入がある場合は、カードローン会社に返済計画を立て直してもらっても「やっぱり払えない」ということになる場合もあります。
1社ずつの月々の返済額は下がったけれど、月々の返済額の総額があまり変わらなかったり、減ったけれど自分が返していける金額まで下がらなくて、返済のメドがたたないといった場合です。
やっぱり払えないからと、払えないまま放っておいてはいけません。
放っておくと、財産や給料の差し押さえされることもあるので、残せる財産まで失ったり、会社にもバレてしまいます。
放置しても遅延損害金が増えるだけで、返済の義務からは逃れられません。
逃げてもなんの解決にもならないので、借金問題に詳しい弁護士に相談しましょう。
債務整理は自己破産だけではありません。いくつか種類があり、困窮している度合いによって、その人にあった債務整理の仕方を弁護士が考えてくれます。
〈債務整理の種類〉
相談してみると、自己破産しか道はないと思っていたのが、金利をカットしてもらうだけで、分割で返していける場合もあるのです。
弁護士に依頼をした時点で借金の督促も止まるので、電話がかかってくることや郵便物が届くストレスからも解消されます。
弁護士費用がないからと躊躇する人も多いですが、弁護士費用は分割での支払いが可能なところが多いので、迷わず相談してみましょう。
迷っている時間が長くなるほど、遅延損害金の負担が増えていきます。
どうしても返済のメドがたたない時は、弁護士の手を借りることをおすすめします。
故人の借金まで払えない!家族が返済しないといけないの?
自分は借金をしたことがないけれど、家族の借金のために借金を背負うことになり払えないこともあります。
それは、急に家族が亡くなって、亡くなった家族がナイショで借金をしていた時です。
遺品や遺産の整理をしていたら、多額の借金が判明なんてことが・・・
借金をしてるなんて知らなかったけど、払わないといけないの?って思いますよね。
基本的にカードローンは個人の借金なので、借入した人が払えなくなったからといって、家族が払う義務はありません。
しかし、それは借入している人が生きている場合で、借入していた家族が亡くなった場合話は別です。
人が亡くなると、財産が残りますよね。
家や株券・預貯金など金額には差がありますが、何らかの物やお金が残ります。
でもなかには、財産なんて全く無く、借金しか残っていないという人もいますよね。
しかし、借金も相続財産なんです。
まったくありがたくないですが、借金は「負の財産」と言われ、残された家族に支払う義務があります。
財産を相続するなら、借金も財産なので相続しなければならず、借金の支払いを拒否する場合は、財産を相続することはできません。
しかし、借金の相続は放棄することもできるので、支払いを拒否する場合は、相続放棄の手続きをすれば支払いの必要はありません。
ただし、相続放棄は、負の財産だけではなく、相続できる財産すべてを放棄することになるので、受け取れる財産があっても受け取れなくなります。
相続を放棄する際には、財産と負の財産の金額を確認してから相続放棄の手続きをしないといけません。
払えなくても絶対に闇金融から借りてはいけない!!
2006年から段階的に法改正されて2010年に完全に施行された、総量規制という借入金額を制限する法律により、複数の会社から借入するのが難しくなり、多重債務者は減りました。
しかし、多重債務でなくても、借金を返せなくなる人はいます。
そんな人のなかには、払えないからといって闇金融から借りてしまう人もいますよね。
でも、絶対に闇金融から借りてはいけません。闇金融は、法外な金利を取る違法業者です。
審査がない・即日融資・ブラックでもOKと甘い誘い文句で、貸そうとしてきますが、10日で1割や10日で3割もっとひどいところだと、10日で5割という暴利を取られるのです。
闇金融から借りたお金は違法なので、返済する必要はないのですが、実際には、しつこい取り立てや、執拗な電話があり払ってしまう人が多いのです。
払っても払っても、支払いが終わることがないので、絶対に借りてはいけません。
万が一借りてしまった場合は、弁護士に相談しましょう。
借入金で返済してはいけない!払えない時、払えなくなる前にまず相談
カードローンは便利ですが、借金です。
返しているのに借金が減らなくて、支払うのがしんどくなってきたなぁと思った時は、借り過ぎています。
追加の借入をせずに、まずは家計を見直して、カードローン会社に相談しましょう。
払えない時に絶対にしてはいけないのが、借金を借金で返す自転車操業と闇金融からの借入です。
払うのがしんどいと思った時は、借金を見直すチャンスです。
家計を見直して、現状から借金を増やさずに返済する方法を考えないといけません。