現金がなくても買い物ができたり、ポイントが貯まれば品物と交換ができたり、海外では身分証明書の代わりになるくらい便利に利用されているクレジットカード。
さらに、クレジットカードにはキャッシング機能が付いているものもあります。
お金を借りることに抵抗がある人でも、日頃から使い慣れているクレジットカードのキャッシング枠なら、抵抗なくお金を借りれるという人も多いですよね。
事実、㈱オリエント総合研究所のアンケート調査によると、クレジットカード利用者のうち、4人に1人がキャッシングを利用しているという結果が出ています。
しかし、カードローンでお金を借りるより損してるって知っていますか?
ここではカードローンを利用するのとクレジットカードのキャッシング枠を利用するのでは金利や審査がどう違うのか?
クレジットカードのキャッシング枠がカードローンの申し込みにどう影響するのかなど詳しく紹介したいと思います。
カードローンとクレジットカードのキャッシングの違いを徹底比較
急にお金が必要になった時に、どこで借りようか迷いますよね。
その時に、多くの人が借入先として検討するのが、カードローンとクレジットカードのキャッシング枠の利用です。
貸金業協会の調べによると、2015年の9月に行ったアンケートでは、クレジットカードが最も多く52.1%の人が借入先として検討していました。
次いで、消費者金融(全国規模)が46.1%で、銀行は一番低く42.9%でした。
ところが、2016年の10月に同じアンケート調査を行ったところ、検討先として最も多いのは銀行となり、49.6%と6.7%も増えたのです。
次いで、消費者金融(全国規模)の43.1%で、一番多かったクレジットカードは40.7%と11.4%も減少し、検討先が変化してきています。
検討先が変化してきたのは、検討理由が2015年は「借入手続きが簡単だから」という人が圧倒的に多かったのに対して、2016年には「金利が低いから」が最も多くなったからです。
そして、銀行を選ぶ人の多くは、預金取扱銀行を選んでいます。普段から使い慣れていて安心感があるからかもしれませんね。
しかし、メリットばかりではありません。
それぞれのメリットとデメリットを詳しく見てみましょう。
消費者金融・銀行・クレジットカードのメリットとデメリット一覧
借入先:消費者金融
メリット
- 審査が早い
- 最短で即日に借りやすい
- 申し込み方法が選べて簡単
- 借入・返済がしやすい
- 無利息期間がある
- 月々の返済額が低い
- 申し込みが可能な店舗・自動契約機が多い
- 担保・保証人が不要
- 年会費が不要
デメリット
- 比較的金利が高い
- 借入制限がある
- サラ金のイメージがあり怖い単
- 提携ATMの利用手数料がかかる
借入先:銀行
メリット
- 金利が低い
- 借入制限がない
- 銀行なので安心
- 金利の引き下げサービスがある
- ATMの手数料がかからない
- 少額から借入ができる
- 年会費が不要
デメリット
- 審査が厳しい
- 審査に時間がかかる
- 普通預金口座が必要な場合がある
- 保証会社の保証が必要
借入先:クレジットカード
メリット
- ショッピングで利用していると利用しやすい
- 海外でも借入ができる
- ショッピングでポイントが貯まる
- 18歳以上から申し込める
デメリット
- 審査に時間がかかる
- キャッシング枠はショッピング枠に組み込まれていることが多い
- 年会費が必要なところが多い
- 金利が高い
- 借入制限がある
- 返済方法を選べない
- 利用可能額が低い
- 月々の返済額が高い
消費者金融・銀行・クレジットカードのそれぞれにメリットもデメリットもありますが、やはりクレジットカードがお金を借りるには一番適してなさそうですね。
では、気になる金利や借入可能額を比較してみましょう。
消費者金融・銀行・クレジットカード別、金利と借入可能額一覧
会社名 | 金利 | 借入可能額 |
---|---|---|
〈消費者金融〉 | ||
アイフル | 4.5%~18.0% | 500万円以内 |
アコム | 3.0%~18.0% | 800万円まで |
プロミス | 4.5%~17.8% | 500万円まで |
SMBCモビット | 3.0%~18.0% | 1万円~800万円 |
〈銀行〉 | ||
みずほ銀行カードローン | 3.5%~14.0% または3.0%~7.0% | 1,000万円まで |
三菱東京UFJ銀行バンクイック | 1.8%~14.6% | 10万円~500万円 |
新生銀行カードローン レイク | 4.5%~18.% | 1万円~500万円 |
楽天銀行スーパーローン | 1.9%~14.5% | 800万円 |
オリックス銀行カードローン | 1.7%~17.8% | 800万円 |
住信SBIネット銀行 MRカードローン | 8.99%~14.79% または1.59%~7.99% | 10万円~300万円 10万円~1,200万円 |
〈クレジットカード〉 | ||
三井住友VISAカード (クラシックカード) | 15.0%~18.0% | 5~50万円 |
NICOSカード(一般カード) | 14.94%~17.94% | 50万円 |
JCBカード | 15.0%~18.0% | 50万円 |
Oricoカード(ザ・ポイント) | 15.0%~18.0% | 10万円~100万円 |
楽天カード | 18.0% | 50万円 |
上記のようにカードローンとクレジットカードでは、金利と借入可能額には、かなりの違いがあります。
また、消費者金融とクレジットカードのキャッシング枠は、総量規制という借入を制限する法律があるため、年収の3分の1までしか借入ができません。
そのため、まとめて借りたい時にクレジットカードのキャッシング枠で、少しだけ借りていたりすると借りられないこともあるのです。
お金を借りる時は、少ない金額をあちこちで借りると、金利が高くなるだけでなく、月々の返済も大変になるので、自分の条件や目的にあったところを1つ決めて借りるようにしましょう。
審査はクレジットカードよりカードローンの方が早い
急にお金が必要になって、どうしても借入をしないといけない時は、クレジットカードより、断然カードローンの方が審査も早く、現金を早く手にすることができます。
特に、インターネット申し込みならどこからでも申し込みができ、最短1時間ほどで借入が可能。
また、申し込み方法や契約方法もいくつかあるので、自分の都合のいい方法を選ぶことができるので便利です。
しかし、クレジットカードの場合は、自動契約機があるところは少なく、店頭窓口で申し込みをしても、ほとんどのクレジットカード会社では、その場でカードの受け取りができません。
そのため、郵送での受け取りになるので、カードが届くまでに1週間ほどかかり、即日借入することはできません。
急いでいる時は、審査回答の早いカードローンを選ぶことをおすすめします。
クレジットカードキャッシング枠の金利は高い!
急いでいる時に審査時間が気になるのはもちろんですが、同じ借りるなら金利の低いところで借りたいですよね。
比較的、銀行カードローンの金利が低いですが、ショッピングもできて便利だからとクレジットカードのキャッシングを利用する人も多いです。
では、クレジットカードのキャッシングの金利はどれくらいなのでしょう。
クレジットカードのキャッシングの金利は、ショッピングのリボルビング払いの利率とは別に設定され、ほとんどのクレジットカードのキャッシング利率は18.0%です。
その理由は、クレジットカードのキャッシング枠の利用可能枠が50万円までのところが多いからです。
しかし、クレジットカード会社によっては、キャッシングを利用して6ヶ月後から増枠を申請できるところもあります。
ただしその場合も、最高利用可能額は100万円~300万円くらいまでで、金利は下がったとしても15.0%です。
また、クレジットカードのキャッシングには、カードローンのような無利息期間サービスや金利の引き下げサービスもありません。
そのため、最低金利の利率が高いクレジットカードはキャッシングするには高く、カードローンを利用する方がお得です。
クレジットカードは限度額内でも借りれない時がある
日頃ショッピングで利用しているので抵抗なく利用できるのか、クレジットカードのキャッシングを利用する人も多くいます。
カードローンはお金を借りるためだけのカードなので、いかにも借金という気がしてイヤなのかもしれませんね。
ただし、クレジットカードのキャッシング枠は、カードの発行の時に自動的についてくるわけではなく、クレジットカードの申し込みの時にキャッシング枠の設定の申し込みを同時にしないといけません。
クレジットカードにキャッシング枠を設定する手順
クレジットカードの申し込みの時に、キャッシング枠をつけるかどうかを選択する項目があるので、必要であればチェック?を入れ希望金額を選びます。
希望金額は、ほとんどのクレジットカード会社では、10万円・30万円・50万円の3種類から選択できるようになっているので、希望する金額を選びます。
後は、審査の結果を待つだけです。
審査の結果は電話またはメールで連絡があり、ほとんどのクレジットカード会社では、審査結果連絡後、3営業日以内にカードが発行されて自宅に送られてきます。
キャッシングの利用可能額は、審査結果の連絡の時に確認するか、クレジットカードが届いた時に、契約内容の書面により確認できます。
ただし、キャッシング枠は申し込んだからといって、必ず利用できるわけではありません。審査の結果、ショッピング利用はできてもキャッシング利用ができないこともあるのです。
また、クレジットカードのキャッシング枠は、ショッピング枠の利用金額内に含まれていることが多いため、キャッシングの利用可能額があるのに、ショッピングで利用枠がいっぱいだと借入できないこともあります。
たとえば、ショッピング枠が100万円で、キャッシング枠が50万円という契約だった場合は、ショッピング枠の100万円のうち、50万円までキャッシングでも利用できますよという意味になります。
そのため、ショッピングで70万円使っていたとすると、キャッシングできるのは、50万円ではなく30万円になるということです。
急にお金が必要になった時に、ショッピングで使い切ってしまっていると、いざという時に借りられないこともあるので、不便ですよね。
その点、カードローンなら、お金を借りるためだけのカードなので、利用限度額内なら何度でも借入も返済も自由にできるので、とても便利です。
クレジットカードのキャッシングは総量規制の対象になる
クレジットカードのキャッシング枠は、ショッピング枠に影響されるのですが、もう1つ影響があるのが、総量規制です。
総量規制とは、貸金業法の借り過ぎや貸し過ぎを防ぐ法律により、借入できる金額が年収の3分の1までと決められていること。
そして、クレジットカードやカードローンには、安心・安全に利用できるように、どちらにも監督省庁があり、それぞれの法律に基づいてカードの発行がされています。
クレジットカードは、基本的にはショッピングのためのカードなので、割賦販売法という法律に基づく、経済産業省の管轄。
カードローンは、お金を借りるためだけのカードのため、消費者金融や信販会社のような貸金業者、さらに銀行や信用金庫のような金融業者を監督している、金融庁の管轄になります。
しかし、クレジットカードは、ショッピングとキャッシングの両方で使えるカードのため、キャッシング枠がついていると、1枚のカードに2つの監督省庁の法律が適用されるのです。
その理由は、クレジットカードのキャッシング枠は、お金を貸す業務にあたるため、消費者金融と同じ貸金業とみなされるから。
そのため、クレジットカードのキャッシング枠は、消費者金融のカードローンと同じ、総量規制の対象となるのです。
総量規制は、すでに借入がある場合はもちろん、実際に借入をしていなくても、キャッシング枠があるだけでも影響があります。
急にお金が必要になって、カードローンの利用を考えた時に、キャッシング枠の利用や設定があると、カードローンの審査に通らないこともあるので、必要ないなら安易にキャッシング枠をつけないようにしましょう。
借金している感覚が薄れるクレジットカードのキャッシング
クレジットカードは、外国では身分証明になるくらい、持っていると信用度が高くなるカード。
そして、色や種類によっては、高収入の人しか持てないカードもあり、ステイタスとして持っている人もいます。
そのため、クレジットカードの利用を恥ずかしく思ったり、使っていることがバレるのを嫌がる人は少なく、クレジットカードなら抵抗なくお金を借りれる人も多いです。
しかしそのせいで、借金をしている意識が薄れてしまう人が多いのも事実。
その主な原因は以下の2つです。
- ATMの利用時に、クレジットカードで手続きをするため
- ショッピングの支払いと一緒に返済するため
では、なぜ借金をしている意識が薄れてしまうのか、それぞれ詳しく見てみましょう。
ATMの利用時に、クレジットカードで手続きをするとなぜ薄れるのか
銀行やコンビニ、駅などに設置されているATMはお金を出したり預けたりするのに、とても便利です。
カードローンやクレジットカードのキャッシングも、ATMにカードを挿入するだけで、現金を受け取ることができます。
クレジットカードのキャッシングは、クレジットカードをATMに挿入すればいいので、専用カードはありません。
そのため、ショッピングでクレジットカードを使うのと同じように利用できるので、借金をしているという意識が薄れてしまうのです。
ショッピングの支払いと一緒に返済するとなぜ薄れるのか
クレジットカードのキャッシングの返済は、ショッピングの支払いと一緒に口座からの自動引き落としで返済します。
また、以前は一括払いしかできなかったキャッシングの返済は、リボルビング払いという分割での返済も可能になり、どちらかを選べるので、無理なく返済ができ便利になりました。
そのため、リボルビング払いを選ぶと月々の返済の負担が軽く感じ、さらにショッピングの支払いと一緒に引き落とされるので、明細を見ないと借金とはわからないので、キャッシングした意識が薄れてしまうのです。
クレジットカードのキャッシングを利用するのは悪いことではありません。
しかし、借金をしている意識が薄れてしまうのは危険です。
クレジットカードでキャッシングする時は、きちんと利用明細を確認して、お金を借りていることを意識して利用しましょう。
消費者金融に抵抗がある時は信販系カードローンもある
上記のように、「クレジットカードだと借入していることを、ついつい忘れてしまいそうだなぁ」「でも、消費者金融で借りるのは抵抗があるなぁ」という人もいますよね。
また、銀行カードローンを利用できればいいけど、審査が厳しいから・・・と尻込みする人もいます。
そんな人には、クレジットカードを発行している信販会社のカードローンがおすすめ。
クレジットカード会社が発行していますが、クレジット機能は付いておらず、お金を借りるだけのカードです。
ただし、クレジット機能の付いていない信販会社のカードローンは、消費者金融と同じ貸金業者からの借入になるため、総量規制の対象になります。
そのため、信販会社のカードローンでの借入可能な金額は、収入の3分の1までです。
では、信販会社のカードローンについて詳しくみていきましょう。
信販会社のカードローンは、同じ貸金業者ですが消費者金融の審査より厳しく、銀行の審査よりはゆるいといわれています。
消費者金融カードローン < 信販会社カードローン < 銀行カードローン
また、気になる金利と利用可能額は、消費者金融よりも、どちらかというと銀行の金利と利用可能額に近いです。
しかし、信販会社のカードローンには、消費者金融のような無利息期間や銀行のような利息引き下げサービスはありません。
そして、信販会社の審査は、クレジットカードの審査と同じくらい時間がかかります。
そのため、早いところでもカードの発行までに最短3営業日ほどかかり、即日利用はできません。
絶対にやってはいけない!クレジットカード現金化
ここまでで、お金を借りるには消費者金融や銀行、信販会社などいろいろあることがわかりました。
でも、どうしてもお金が必要なのに、どこの審査にも通らないこともありますよね。
そんな時に、パソコンや街中で「クレジットカードのショッピング枠の現金化」といった文字を目にしたことはありませんか?
しかし、クレジットカードのショッピング枠の現金化は、絶対にやってはいけません。
クレジットカードの現金化とは、クレジットカードのショッピング枠を使って、業者が指定する商品をクレジットカードで買い、その買った商品を業者に買い取ってもらい、現金を得る行為です。
クレジットカードのショッピング枠の現金化をしてはいけないワケは2つ。
1つ目は、そもそもクレジットカード会社では、現金を手に入れるためにクレジットカードを利用する行為を認めていません。
そのため、もしショッピング枠を現金化に利用したことが、クレジットカード会社に発覚した場合は、カードの利用停止や最悪の場合は強制退会になることもあります。
利用停止になった場合は、返済だけが続き、強制退会になった場合は一括返済をしないといけなくなります。
また、利用停止や強制退会になった情報は信用情報に記載されるので、他にも借入がある場合は、その借入にも影響することもあるのです。
2つ目は、犯罪やトラブルに巻き込まれる可能性があるから。
現金化の業者は、違法ではありませんと謳っているところが多いです。
それは、多くの業者は古物取引の営業許可を取っていて、買い取りをしているだけだということから、違法ではないとしています。
しかし、業者によっては、異常に低い換金率で貸金業法や出資法違反に問われて、逮捕されている業者もあります。
また、高い買い物だけさせられて現金が振り込まれなかったり、現金化を申し込んだ時の情報が闇金融に流れて、何度も利用を迫られる電話がかかってくるなどトラブルに巻き込まれることも・・・
そもそもクレジットカードのショッピング枠を現金化している業者や業界を、国が認めているわけではありません。
また、現金を手にした時は助かるかもしれませんが、クレジットカード会社への支払いは、買った金額そのままが残っています。
そして、支払いを分割にするとさらに利息がかかってくるので、カードローンやキャッシングでお金を借りるよりも高い借入になってしまうのです。
今のところ、クレジットカードのショッピング枠の現金化は、違法ではありませんが借金が増えるだけで、何もいいことはありません。
クレジットカードでショッピング枠を現金化しなくてはならないくらいお金が必要になった時は、冷静に借入状況を見直しましょう。
クレジットカードでキャッシングの前にカードローンを検討
クレジットカードは、ショッピングもキャッシングもできるので、とても便利なカードだということは間違いありません。
普段からショッピングで利用していると、お金が必要な時にキャッシングを利用する人も多いと思います。
しかし、キャッシングを利用する前にカードローンの利用を検討してみましょう。
カードローンは、お金を借りるためのローンです。
そのため、最高利用限度額も高く金利の幅も広くあり、申し込みも簡単で、即日に借入することも可能。
しっかり計画をたてて、自分の利用目的や条件にあった会社を選べば、キャッシングよりもとても便利に利用できます。